コンビニやスーパーで気軽に買える、冷凍野菜。
事前にカット&下茹で済みなので料理の時間を短くできますし、少しずつ使うことができて便利ですよね。
冷凍庫に冷凍野菜をストックしておけば、買い物の回数も減らせるので時短家事の強い味方です。
でも気になるのは、冷凍野菜にもちゃんと栄養があるのかどうか。
ということで調べてみました。
結論から言うと、
冷凍野菜にもちゃんと栄養があります!
なんで?という疑問について
この記事でお答えしていきます。
目次
冷凍野菜に栄養がある3つの理由
市販されている冷凍野菜は、一般的にコストを安く抑えるために旬の時期に収穫したものを使っています。
そもそも野菜は旬のものが、一番栄養価が高いです。
時期によっては、冷凍野菜の方が旬を過ぎた生野菜よりも栄養価が高いなんてこともあります。
1.ブランチング処理で味や栄養価、鮮度をそのままキープできるから
市販の冷凍野菜は、急速凍結する前にブランチング処理という加熱処理が施されています。
ブランチングとは90~100℃位の熱湯に漬けたり蒸気にあてたりして、短めの時間で加熱処理することです。
加熱時間は野菜の種類や大きさ、熟度などによって異なりますが、グリンピースやほうれん草などは1~1.5分、アスパラガスは2~3分くらいと、固めに茹でられています。
ブランチングの目的は、加熱によって野菜が本来持っている酵素を不活性化させて変質や変色を防いだり、組織を軟化させて凍結による組織の破損を防ぐため。
ブランチングによって野菜本来の鮮やかな色がそのまま保たれるので、決して漂白剤や着色料などを使って色付けしているわけではないのです。
ブランチング処理の後に-40℃以下の冷気にあてて急速冷凍することで、味や栄養価を損なうことなくそのままの状態でキープすることができます。
冷凍野菜に限らず、冷凍食品の優れた特性として、急速凍結することによって損なわれる栄養素はありません。
また、冷凍食品には保存料が使用されていません。
ー18℃以下の低温で保存すると、腐敗や食中毒の原因となる細菌が活動できないため、保存料を使用する必要がないからです。(※1)
ブランチング処理で栄養は落ちないの?
ブランチング処理は下茹で処理と言い換えられるので、熱に弱く水に溶けやすい水溶性ビタミン(ビタミンC、ビタミンB群など)は若干減ります。
ですが、これは生の野菜を加熱調理する場合も水溶性ビタミンは同じく減ります。
冷凍野菜を調理する場合は、ブランチングされていることを考慮してあまり加熱しすぎないようにするのが、栄養を損なわずに食べるためのポイントです。
また、ー18℃以下で保存した場合の栄養価の減少はとても緩やかです。
興味深い実験があります。
ほうれん草による実験では、ー18℃で貯蔵した場合、ビタミンCの残存量が50%になるのは33か月後。
生のほうれん草の場合、ビタミンCの残存量は収穫後4.5℃の低温で保存しても3日間で78%になり、常温25℃では、たった3日間で56%になってしまったという実験結果も。
生の野菜は季節や、収穫後の経過日数によってビタミンの含有率も変わります。
このことを考えると、旬の季節に鮮度の良い野菜を加工する冷凍野菜には栄養面でも利点があるといえますね。(※1)
2.冷凍野菜の方の栄養が増える場合もある!
市販の冷凍野菜でもよく売られている、ほうれん草とさといもの二つを、それぞれ冷凍のものと生(またはゆで)野菜のものと比較してみました。
11月~2月が旬の、ゆでたほうれん草(冬採り)と、ゆでた後冷凍した場合のほうれん草の栄養価を比較してみました。
冷凍ほうれん草の方が増えた栄養素
- カルシウムが約2.5倍増加
- βカロテンが約1.6倍増加
- ビタミンK、マグネシウムは若干増加
冷凍ほうれん草の方が減った栄養素
- カリウムが約1/5減少
- ビタミンCが約1/6減少
- 葉酸が約1/2減少
10~1月が旬のさといも。生のものと、そのまま冷凍したものの栄養価を比較してみました。
冷凍さといもの方が増えた栄養素
- エネルギー、マグネシウム、カルシウムが微増
冷凍野菜の方が減った栄養素
- カリウム、葉酸が減少
数値を比較した結果、冷凍野菜だからといって栄養価がものすごく低下するわけでもないようです。
おもしろいのは、冷凍野菜の方の栄養価が高くなる場合もあること。調べた限り、現時点では、その科学的根拠を示すのは難しいようです。
きのこは冷凍すると細胞が壊れてうまみ成分が増す、というのを聞いたことがある方も多いと思います。
野菜も冷凍することで栄養が増えるケースがあることは、とても不思議な現象ですが興味深いですよね。
3.迅速な加工技術とー18℃以下の温度管理を徹底しているから
市販の冷凍野菜は、収穫から急速凍結するまでの一連の工程を、厳しく温度管理が徹底された工場で速やかに行っています。
加工されてからお店に並ぶまでの間も常にー18℃以下で管理されているので、栄養価や新鮮さを損なうことなく、私たち消費者の手に渡ることが可能なのです。
冷凍野菜の購入の際に確認できる「安心」とそのポイント
また、冷凍野菜を含む冷凍食品を安心して購入する際の目安に、「認定証」マークの有無を確認するのも一つのポイントです。
(一社)日本冷凍食品協会会員の冷凍食品製造工場で、冷凍食品認定制度により認定された工場で製造される冷凍食品に、上記のような「認定証」マークが付けられています。
平成26年度末時点で、約420工場が認定されています。
この制度は、昭和45年から開始されました。良質で安全な冷凍食品の提供を目指し、工場の施設や設備を主体とした基準と、品質・衛星管理体制の構築及びその運営に関する基準の両方をクリアしなければ取得できない制度です。
また、一度認定工場として認められても定期的に立ち入り検査が行われたり、更新手続きとして再審査が必要なので、非常に厳しい認定制度なのです。
この「認定証」マークがついているものは信頼の証なので、冷凍食品を選ぶ際の参考にしてみてください。(※1)
まとめ:冷凍野菜にもちゃんと栄養はある!うまく使って時短家事に役立てよう
この記事では、冷凍野菜に栄養がちゃんとあるのかどうかについてお伝えしました。
まとめると、以下の通りです。
- 冷凍野菜にはしっかり栄養がある
- 一番栄養価の高い旬の野菜を収穫して使っているから
- ブランチング処理で野菜の変色や変質・劣化を防いでいるから
- ー40℃以下の急速凍結で新鮮さをキープしているから
- 急速冷凍による栄養価の損失はないから
- 冷凍野菜を含む冷凍食品は保存料が使われていない
- 冷凍野菜を含む冷凍食品の購入の際は「認定証マーク」の有無を確認するのもオススメ
冷凍野菜は、異常気象などで生の野菜が高騰していても、価格が安定しているので家計の助けになります。
うまく食卓に取り入れて、毎日の料理の時間を少しでも時短できたら良いですね。
料理の時短家事についてはこちらもご覧ください。
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【参考文献】