1/28(土)夜10時からテレ東系列で放送された「新美の巨人たち」は「江の島アート散歩」。
湘南・江の島の歴史と美術の魅力を、たった30分という短時間の間にまとめられた、かなり中身の濃い番組内容でした。
アートトラベラーが八木亜希子さんで、ナレーターが渡辺いっけいさん。
江島神社やイルミネーションなど、冬の江の島デートでもオススメの場所が盛りだくさんでした。
この記事では、番組で紹介された場所をまとめました。
新美の巨人たちの見逃し配信や動画、全国放送や再放送・過去の放送についての情報はこちらです。
目次
1.片瀬江ノ島駅
2020年7月に建て替えが完成した「片瀬江ノ島駅」です。
本格的な竜宮造りの建物で、屋根にはしゃちほこではなく金色のイルカが!
電車で江の島を訪れる際の玄関口ですね。
「片瀬江ノ島駅」には新宿から小田急に乗れば、大人料金約600円ほどで約1時間で来ることができます。
また、番組内ではロマンスカーが紹介されていました。
ロマンスカーは、全席指定です。
乗車券と特急券の両方を事前に購入する必要があります。
特急券はネットでも事前に購入できます。
詳しくはロマンスカー公式サイトをご確認ください。
2.岩本楼本館(いわもとろうほんかん)
女優の八木亜希子さんが、「すごい美術品の中でお風呂に入る感じですね」とおっしゃっていたのは、「岩本楼本館」(読み方はいわもとろう)という旅館のお風呂です。
「岩本楼本館」は、江の島最古の旅館です。
上記の写真の正面にうつっているタイルは、小森忍(こもりしのぶ・1889ー1962)の作品。
日本における陶磁器研究の第一人者で陶芸家の方です。
上記の写真左の方にうつっているステンドグラス。
こちらは日本のステンドグラス黎明期に活躍した別府七郎率いる別府スティンドグラス製作所の作品です。
30cm角、約15万円するそう。現在の価格ではもっと価値が上がってそうですが・・・。
「岩本楼」の他の宿にはない1番の特色は、「岩本楼ローマ風呂」と「弁天洞窟風呂」の二つのお風呂の存在です。
このお風呂、なんと岩本楼に宿泊すれば宿泊客は実際にどちらのお風呂も入浴できちゃうんですって!!
全長20mもの広大な「弁天洞窟風呂」の奥には弁天様がまつられています。
番組で説明されていましたが、こちらの「弁天洞窟風呂」は、後述する「岩本院」の時代に、雇われていた稚児が宿泊客の枕探し(※寝ている客から盗むこと)などの悪事を働いた際に罰として閉じ込めていた洞窟なんだとか・・・。
なぜ旅館に弁天様が祀られている?
「岩本楼」は現在はどなたでも泊まることのできる旅館として営業されています。
しかし、もともとは鎌倉時代の源頼朝の時代から存在する由緒正しいお寺「岩本坊」が発端だったそう。
850年もの時を越えて、今日まで脈々と受け継がれてきたそうです。
江ノ島の歴史とともに、「岩本楼」も以下の順番に変化していきました。
①鎌倉時代「岩本坊」(お寺)
②「岩本院」(江の島弁財天へ参拝の際にひとやすみする宿坊へ変化)
③明治7年(1874年)に現在の「岩本楼」(旅館)へ
「岩本楼」について詳しく調べていると、江ノ島の歴史と密接に繋がっていることがよく分かりました。
また、「岩本楼」には宿泊者限定で閲覧することのできる資料館も存在するそうなんですね。
こちらの資料館には、江ノ島と岩本楼の歴史についての大変貴重な資料がたくさんあるそうです。
「新美の巨人たち」でも解説付きで放送されたら嬉しかったんですが、残念ながら資料館は紹介されませんでした^^;
いつか「岩本楼」に泊まって、二つのお風呂と資料館、どちらも体験してみたいですね~。
3.湘南の宝石の物語
こちらは「湘南の宝石~江の島を彩る光と色の祭典~」という江の島シーキャンドルという灯台を中心としたイルミネーションイベントです。
2022年11月23日(祝・水)~2023年2月28日(火)まで開催されています。
イルミネーションの点灯は午後17時30分から。
イルミネーションのメインスポットは島の頂上にある江の島サムエル・コッキング苑と江の島シーキャンドルです。
メインスポットの江の島サムエル・コッキング苑への入場は、17時までは無料です。
17時以降は夜間料金で500円かかるとのことです。
江の島シーキャンドル入場とのセット券(中学生以上1100円、小学生550円)も公式サイトで販売されています。
その他、期間中は以下の地域でもイルミネーションが開催されます。
公式サイトより抜粋(順不同)▼▽
- 江島神社(中津宮/奥津宮)
- 中津宮広場会場
- 亀ヶ岡広場会場
- 御岩屋道通り
- 恋人の丘 龍恋の鐘
- 江の島岩屋
- 江の島ヨットハーバー
- 江の島アイランドスパ
- 湘南港北緑地広場
- 江の島弁天橋・片瀬橋・弁天橋
- 134号沿いヤシ並木
- 江の島湘南港 南防波堤
- 新江ノ島水族館
会期中は江の島の地域全体でイルミネーションを見ることができるんですね。
美しくライトアップされた江の島は、日中とはまた違った景色が見れそうでとても素敵ですね。
また、関東三大イルミネーションの一つでもあるので、注目度は高いですね。
江の島全体でイルミネーションが開催されているので、ロマンチックなムードに包まれること間違いなし。
関東三大イルミネーション
- 栃木県足利市にある「あしかがフラワーパーク」
- 神奈川県相模原市にある「さがみ湖イルミリオン」
- 神奈川県藤沢市にある「江の島 湘南の宝石」
ちなみにシーキャンドルは、展望台と灯台を兼ねている高さ約60mの建物です。
江ノ電開業100周年事業の一環として2002年に建てられたそうです。
昇塔料は500円。
運が良ければ昼間は霊峰・富士山がキレイに見えるかもしれません。
4.江島神社
江の島で源頼朝ゆかりの神社である「江島神社」で。
江島神社には、日本三大弁財天として有名な八臂弁財天(はっぴべんざいてん)と妙音弁財天が祀られています。
弁才天について
弁財天は、もともとはインド神話の女神・サラスヴァティー。
サンスクリット語で「聖なる川」を意味し、水の神とされました。
仏教に取り入れられた後、日本では水神信仰と結びついて農業神として庶民の間で広まったそうです。
その一方で、川の流れる音は音楽にたとえられることから音楽神として信仰されていきました。
仏像では、中国風のファッションを身にまとったお姿が一般的です。
初期は一面八臂像で、八本の腕に弓や刀などの武器を持っていることが多いです。(臂=腕)
平安時代以降は一面二臂像で、琵琶を持つお姿が多くみられます。
近年では、財宝のご利益が強調されて「弁財天」とも。
七福神の一神でもあります。
八臂弁財天について
はるか昔の鎌倉時代には、戦の戦勝祈願を行った源頼朝が八臂弁財天と鳥居を江島神社に奉納されたそうです。
今でこそ「弁天様」は”音楽や芸能・智恵の神”や”財福の神”として信仰されていますが、鎌倉時代では”戦いの神”として信仰されていたんですね。
確かに、源頼朝が奉納した八臂弁財天は上記の画像を見ていただくと分かる通り、手に弓や刀などの武器を持っていますね。
ちなみに、八臂の「臂」は「腕」です。
八臂弁財天とは、八本の腕を持った弁財天さま、ということですね。
江島神社の奉安殿にて公開されています。
宇賀弁天について
こちらの八臂弁財天についてもう少しだけ深堀すると。
八臂弁財天の頭上に、とぐろを巻いたへびの体に人間のおじいさんの顔をした「宇賀神(うがじん)」という神様が乗っています。
宇賀神とは、穀物や食物をつかさどる日本特有の神様です。
この宇賀神を頭上にいただいた弁財天は、「宇賀弁天」と呼ぶそうです。
江島神社の「八臂弁財天」をはじめ、日本全国の八臂の弁財天はこの宇賀神をいただいた像が多くみられます。
日本三弁天とうたわれる八臂弁財天は、すべて宇賀弁天なんだそうです。
日本三弁天
- 江島神社(神奈川県藤沢市江の島)の八臂弁財天像(※国指定重要文化財)
- 宝厳寺(滋賀県長浜市竹生島)の大弁財天像(※開帳は60年に一度、次回は2037年。秘仏)
- 大願寺(広島県廿日市市厳島)の弁財天像(※秘仏)
妙音弁財天について
妙音弁財天(みょうおんべんざいてん)。
鎌倉時代中期以降の傑作といわれ、現在も音楽や芸能の神として多くの方の信仰を集めています。
こちらも江島神社の奉安殿にて公開されています。
江島神社では湘南の宝石記念御朱印の頒布も!
江島神社では、先ほど紹介したイルミネーションイベント「湘南の宝石」とコラボした「湘南の宝石記念御朱印」も期間限定でいただけます。
なんともきらびやかでステキな御朱印ですよね。
私も御朱印を集めることが好きなので、こちらの画像を見た瞬間とっても心が動きました。
御朱印集めが趣味の方なら、上記の画像を見たらかなりグッとくること間違いなしだと思います。
江島神社でこちらの御朱印をいただける受付期間などは、公式サイトによると以下の通りです。
受付期間:11/23~2/28
受付時間:8:30~17:00
受付場所:江島神社 辺津宮境内
初穂料:700円
※受付期間および時間は変動する場合がございます。
5.江の島岩屋
江の島の奥、断崖絶壁にかけられた赤い岩屋橋をぬけると、江の島岩屋へ。
江の島岩屋は、波の浸食によってできた洞窟です。
入館料は500円。
入り口で係りの方がろうそくを無料で配ってくれます。
洞窟の突き当りには江島神社の発祥の場所があります。
江の島岩屋は、弁財天信仰の発祥の地でもありました。
江嶋縁起について
その昔、鎌倉に台風や洪水を引き起こす悪い竜がすんでいました。
552年のこと、何日も地震が続いた後に海底から島が出現しました。
江の島の誕生です。
江の島の誕生と同時に雲間から弁財天が降臨しました。
弁財天のあまりの美しさから、ひとめぼれした龍は行いを改めることを誓い、弁財天と結ばれます。
552年、欽明天皇の命で岩屋に神を祀ったのが江島神社のはじまりとされています。
最初の社殿は弘法大師が建てたと伝わっているそうです。
北条家の家紋の由来
岩屋は祈りと修業の場でもありました。
鎌倉時代に北条時政(鎌倉幕府初代執権・1138-1215)が、子孫繁栄を願ってこの岩屋にこもりました。
すると弁財天があらわれ、祈願成就を約束すると龍に姿を変えて消えていきました。
そのとき、3枚のうろこを落としていったことから、北条家の家紋は三つ鱗となったそうです。
6.中村屋羊羹店
番組内で、中村屋羊羹店の「女夫饅頭(めおとまんじゅう)」が紹介されていました。
中村屋羊羹店は明治35年(1902年)創業の、江の島最古の和菓子屋さんです。
女夫饅頭は、鶴岡八幡宮境内にあった源義経と静御前ゆかりの「女夫石(めおといし)」が由来だそう。
1個130円
- 白いお饅頭が男(酒種×こしあん)
- 茶色いお饅頭が女(黒糖×つぶあん)
蒸したての、あったか~い優しい甘さのお饅頭がいただけます。
中村屋羊羹店はオンラインショップもやっていますが、このお饅頭は現地のみでしか食べられないとのこと。
また、中村屋羊羹店はさとふるで藤沢市の返礼品に参加もされています。
さとふるの検索欄で、「江の島 羊羹」などと検索すると返礼品がいろいろと出てきましたよ。
7.冨士見亭
明治時代創業、創業150年のご飯やさん。
名物の「江ノ島丼」は玉ねぎ、サザエなどの載ったシンプルだけどぜいたくな一品。
1250円(税込)でした。
夕暮れの富士山がキレイに見えていました。
江島神社へ参拝した帰りで、休憩するのも良さそうですね。
まとめ:江の島の歴史とアートを通して深い魅力を再発見!
調べれば調べるほど、今まで知らなかった江の島の深い魅力を知ることができました。
江の島のイルミネーションは2月いっぱいまでやっているので、冬の江の島を観光するのもとっても楽しそうですね。
もし関東圏にお住まいでしたら、日帰りでも遊びに行ける距離感も魅力的ですよね。
あなたもぜひ神秘の島・江の島へ、足を延ばしてみてはいかがでしょうか。
参考文献▼▽